予防接種
予防接種(ワクチン)とは
ワクチンは、感染症の原因とされる各種の細菌やウイルスの病原性を弱めたり、また、それらを無毒化したりすることでつくられます。
これを体内に注入することで、抗体(病原体と結合し、それを体内から除去するように働くたんぱく分子)を作らせ、当該感染症に罹りにくくし、また重症化を防ぎます。
そのほかにも、感染症の流行を阻止する(集団免疫)という目的で行います。
当院では、成人向けの予防接種として、インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンだけではなく、様々なワクチン接種を行うことができます。(申し訳ありませんが、中学生以下の方は小児科へ御受診ください。)
ここでは、インフルエンザワクチンを肺炎球菌ワクチンについて、下記に説明いたします。
肺炎球菌ワクチンについて
肺炎とは、細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染して炎症を起こしている状態です。
呼吸器の防御機能が病原微生物を排除できなかった場合、病気やストレスなどにより免疫力が低下している場合など、感染力が防御力を上回ってしまうと、病原微生物が上気道から下気道、そして肺にまで入り込んで感染するようになります。
また肺炎は、高齢者の方や基礎疾患を持っている方などにかかりやすく、しかも治りにくいという特徴もあります。
肺炎球菌は、肺炎の原因菌の中で最も多い菌(大人の肺炎の20~40%は、この菌が原因)であり、同ワクチンを接種することで、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防するほか、重症化のリスクを減らすといった効果が期待できます。
また、インフルエンザワクチンの接種を併せて行うと、肺炎予防の強化にもつながります。
そのため、肺炎予防には、肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。
なお、肺炎球菌ワクチンは、65歳以上の方は接種費用の一部が公費助成されます。
対象となる方は毎年異なりますので、お住まいの自治体のホームページ等でご確認ください。
65歳以下の方でも免疫低下がある場合には、肺炎球菌ワクチン接種が強く推奨されます。
※肺炎球菌ワクチンは接種後5年以内に再接種を行うと、注射部位の痛みが強く出るケースがありますので、再接種を希望される方は、5年以上の間隔を空けてください。
インフルエンザワクチンについて
インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症がインフルエンザで、同ウイルスに感染すると潜伏期間(1~3日間ほど)を経た後に発症し、38℃以上の高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛、寒気などの全身症状が現れます。
このほか、風邪の症状と同じように、喉の痛み、鼻水、せきなどの症状もみられます。
また高齢者や基礎疾患をお持ちの方は、肺炎を併発するなど、重症化する可能性もあります。
インフルエンザによる重症化を減少させるには、流行前のインフルエンザワクチン接種が最も有効です。
同ワクチンは接種してから効果が出るまでに2週間ほどかかりますが、その効果は約5ヵ月間持続します。
インフルエンザが例年12月~翌3月頃に流行する日本では、毎年12月中旬頃までに接種するのが望ましいと思われます。
なおインフルエンザウイルスは毎年少しずつ性質を変えるため、異なるタイプが流行します。予防接種は毎年行うようにしてください。
当院取扱いワクチン
当院では下記2種類のインフルエンザワクチンをご用意しております。
- 注射薬
- 点鼻薬
インフルエンザワクチン 注射薬
従来からあるワクチンです。
ワクチンによる防御抗体は3ヶ月から5ヶ月間、有効です。(と言われています。)
接種2週後より抗体の量が増加し、4週目でピークとなります。
接種による発症予防効果は20〜50%と言われています。
接種によって重篤化抑制効果が顕著となります。
インフルエンザワクチンの有効性はそのシーズンの流行株とワクチン株が合致しているかどうかにより異なります。また過去に受けた接種の影響も受けることが報告されております。
インフルエンザワクチン点鼻薬 フルミスト®
フルミスト FluMist®とは、鼻に噴霧するインフルエンザワクチンです。
生ワクチンとなります。
北米・欧州で広く利用されています。輸入ワクチンです。
日本では未承認です。
特徴
- 痛みがない
鼻に噴霧するワクチンなので、痛みがありません。 - 効果は長い
国内で行うインフルエンザワクチンの効果持続期間は3〜4ヶ月ですが、フルミストは1シーズンもちます。 - 予防効果が高い
国内で行うインフルエンザワクチンはIgG抗体が誘導されますが、フルミストではIgG抗体だけではなく気道分泌型のIgA抗体も得られます。
また、生ワクチン(弱毒化したウイルスで免疫を作る。)なので、流行しているインフルエンザと株(タイプ)が違っても、発病軽症化効果が期待できます。
注射のワクチンの予防効果は、小児科学会では20〜30%としています。
しかし、年齢が上がるにつれて予防効果が高くなります。注射ワクチンの予測の株(タイプ)が一致した場合は注射ワクチンの方が予防効果が高いです。
株が一致しなかった場合はフルミストの方が予防効果は高いです。
(フルミストではH1N1では発症を90%、H3N2では80%減らすことが可能とされております。)
(ワクチン株)
4価ワクチン:H1N1,H3N2,B型2株
フルミストと注射ワクチンの比較
FluMist® | インフルエンザワクチン注射 | |
タイプ | 生ワクチン | 不活化ワクチン |
投与方法 | 両方の鼻の中に吹き付けます。 | 皮下注射 |
対象年齢 | 2歳~49歳 | 生後6ヶ月以上 |
有効期限 | 約1年 | 3~4ヶ月 |
接種回数 | 1回 | 1回 |
注意点
- フルミスト接種後、ウイルス排泄が起こります。排泄期間は幼児で最長3週間、成人で最長17日間です。
- 接種前48時間、接種後2週間は抗インフルエンザ薬の使用は控えて下さい。
- 生ワクチンのため、接種後4週間は他の生ワクチン接種はできません。
(不活化ワクチンは翌日以降でも接種可能です)
副作用/副反応
鼻汁、鼻閉、頭痛、食欲低下、咽頭痛、発熱
また、他のワクチンと同様に、極く稀に、アナフィラキシーショックやギランバレー症候群といった重い反応を起こす可能性もあります。
接種対象者
2〜49歳の健常者
当院では高校生以上の方への接種とさせていただきます。
接種できない方
- 2歳未満、50歳以上の方
- 妊婦・妊娠の可能性のある方
- アスピリンを服用している方
- 卵アレルギーのある方、ゼラチンアレルギーのある方、ゲンタマイシンアレルギーのある 方
- アナフィラキシー既往のある方
- 当日37.5℃以上の発熱のある方
- 過去に注射のインフルエンザワクチンで気分不快になったことがある方
- インフルエンザに罹患してけいれん・脳炎症状があった方
- 免疫不全の方
- 免疫が低下している方と接触する機会のある方
- 鼻汁・鼻閉が顕著な方
ワクチンの補償
日本では未承認のワクチンのため、接種による健康被害が起こった場合、厚生労働省の
「予防接種健康被害救済制度」や、独立行政法人 医薬品医療機器総合機構の「医薬品副作用被害救済制度」を受けることはできません。
輸入メーカーによるワクチン副作用被害補償制度を受けることができます。
同時接種
他の国内承認ワクチンと同時接種にて健康被害が生じた場合、承認ワクチンが原因であっても本ワクチンが国内未承認のため、予防接種健康被害救済制度や医薬品副作用被害救済制度を受けることができなくなる可能性があります。
そのため、当院では同時接種は行いません。
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