食物アレルギー(即時型/遅延型)
赤ちゃんや幼児に多く見られ、アレルゲンとされる食品を摂取することで起きてしまうアレルギー反応が食物アレルギーです。
なお食物のアレルゲンは様々ありますが、代表的なものには、牛乳やチーズ・バターなどの乳製品、卵、大豆、米、小麦粉、そば、ナッツ類(ピーナッツやカシューナッツなど)、果物、甲殻類(エビ・カニなど)などがあります。
また、今まで問題がなかった食物に対して、ある日突然、食物アレルギーを発症してしまうこともあります。
アレルギー症状としては、じんましんなどの皮膚症状、せき・ぜん鳴(呼吸音がヒューヒュー鳴ること)などの呼吸器症状、下痢や嘔吐・腹痛といった消化管症状、アナフィラキシーショックなどがあります。
とくに要注意なのがアナフィラキシーショックを起こしている場合で、医師からアドレナリン自己注射薬を処方されている場合は、速やかに打つようにしてください。
治療で一番大事なのは、まずアレルギーの原因となっている食品の摂取を止めることです。
原因となる食物がわからない場合は、アレルギー検査で特定することができます。
この他、対症療法として、じんましんなど皮膚の症状が出ている場合は塗り薬のステロイド、かゆみがある場合は抗アレルギー薬を服用します。
また、食前に抗アレルギー薬を服用して症状を防ぐ方法もあります。
アレルゲン検査(採血検査)
1) 即時型アレルギー検査
IgEは個々のアレルゲンに対して無数に存在します。
CAP-RAST法
ある特異的なアレルゲンに対する特異的IgE検査
検査したいアレルゲン13項目まで選択可能。(保険適応)
RIST法
不特定のアレルゲンへの反応の程度を調べる非特異的IgE検査
検査するアレルゲンはセットとなっており、36項目検査するMAST36、39項目検査するView39などがあります。(保険適応)
2) 遅延型アレルギー検査
→遅延型食物アレルギーの項目をご参照ください。
3) アレルゲン刺激性遊離ヒスタミン試験(HRT)
採取した血液中から分離した好塩基球という白血球の1つにアレルゲンを添加し、その時に放出されたヒスタミンの量を測定する検査。
特異的IgE検査よりも、生体内反応をより的確に反映します。
食物を負荷することで強いアレルギー症状を誘発する可能性が高い場合、特異的IgE検査に無い「ヒト汗」に対してのアレルギーを検索する時に有用です。
また、アレルギー既往のある食材に対しての耐性獲得推定にも非常に有用です。
※現在は検査受託中止となっております。
4) TARC
アトピー性皮膚炎の症状の重症度を測定します。
TARCは白血球遊走作用を持つケモカインの一種で、Th2細胞を病変部に引き寄せ、IgE産生・好酸球を浸潤活性化させて、アレルギー反応を亢進化させます。
炎症の強さに一致して上下します。重症化で上昇し、治療で軽快すると下降します。
重症度判定や治療効果判定に有用です。
但し、水疱性類天疱瘡や菌状息肉症、血管浮腫、薬疹、膠原病でも高値となります。
遅延型食物アレルギー
一般的には、食事アレルギーはIgE抗体による「即時型」アレルギーの事を指します。
摂取後2時間以内にアレルギー反応(症状)を認めます。
アレルギー反応(症状)としては、蕁麻疹やかゆみといった皮膚症状、下痢・嘔吐といった消化器症状、喘鳴(呼吸がゼイゼイすること)・咳嗽(咳のこと)といった呼吸器症状が
代表的です。食物アレルギーの殆どは、このタイプです。
しかし、摂取後数時間・数日経ってからアレルギー症状が出現することがあります。
即時型アレルギーに対して、このようなタイプを「遅延型」アレルギーといいます。
「遅延型」アレルギーの抗体は非IgE(IgG,IgA)です。
「遅延型」アレルギーによる症状は多岐に渡ります。即時型アレルギーの代表的な症状はもちろんのこと、メンタル面、過敏性腸症候群や倦怠感、体調不良といった症状も含まれます。
つまり、倦怠感・体調不良の原因が「遅延型」アレルギーであったということもあるのです。
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食物アレルギー
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その他
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- 肥満
- その他
検査
国内での検査は即時型アレルギー検査が主体です。
何回もIgE抗体検査を行っても全て陰性で原因不明というケースもあります。
遅延型アレルギー検査はそのような方のための補完的検査となります。
遅延型アレルギー検査ができる医療機関はまだ少ないです。
当院では遅延型アレルギー検査を行っております。ごく少量の採血で検査可能です。
採血検体を北米の検査施設に送ります。採血後、約2週間で結果が判明します。
検査項目
料金
料金は当院にお問い合わせください。
※注意
・日本小児アレルギー学会では、食物アレルギーでのIgG抗体の診断的有用性を公式には認めておりません。
・IgEで反応する食品がIgGでも同様に反応するとは限りません。その逆も同様です。
検査で原因食物の特定ができた後
免疫反応を鎮静化するために原因食物を除去する方向としましょう。
完全除去が困難の場合は、症状が出ないレベルまで量や頻度を減らしましょう。
期間は3〜6ヶ月間となります。
遅延型アレルギーの場合、免疫反応が下がればまた摂食可能となる可能性があります。
摂食再開時は1項目ずつ少量摂取します。2週間毎にチェック致します。
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